犬界きってのファニーフェイス、フレンチ・ブルドッグ。
とぼけた表情とブヒブヒ鼻を鳴らしながら歩く姿の愛くるしさと言ったらたまりません。
漠然と犬との生活を夢見ていたところ、突然の出会いから成犬フレンチ・ブルドッグ(当時推定6才)の里親となりました。
ともに暮らし2年半となるフレンチ・ブルドッグの生態と、フレンチブルドッグの歴史や特徴についてお届けします。
フレンチ・ブルドッグの特徴
フレンチ・ブルドッグは闘犬として英雄となったブルドッグの祖先犬たちの特色を継承しています。
低重心の体型や幅の広い胴体、発達した骨格と筋肉、極めて鼻が短い小型犬です。また、たるんだ柔軟性のある皮膚も特徴です。
コウモリが羽を広げたような耳で、バット・イアと呼ばれています。尾は生まれつき短く、他犬の様に振り方で感情を読み取ることは困難です。
毛色は大きく分けて4種類(ブリンドル・パイド・クリーム・フォーン)に分かれます。短く柔らかく光沢があります。
フレンチ・ブルドッグの歴史
19世紀のイギリスでは、ブルドッグが相当な人気を博していました。
その中に非常に小さな体で、体重が約11kg以下のブルドッグがいました。
19世紀の半ばフランスに持ち込まれると女性たちの間で評判になりパリで大流行。
その後アメリカへ渡り、1898年にはフレンチ・ブルドッグだけのドッグショーが開催されるまでになりました。
以来、多くの愛犬家から支持を受けています。日本には大正時代に紹介され、昭和初期には多くの家で飼われるようになりました。
フレンチ・ブルドッグの性格
性格は陽気で非常に利口ですが、ブルドッグの頑固な一面も持ち合わせています。
好奇心旺盛でやんちゃな性格のうえ、愛想も良いので誰とでも仲良くできます。基本的には人懐っこく表情豊かな甘えん坊です。
フレンチ・ブルドッグの生活とケア
フレンチ・ブルドッグは、とても遊び好きですが運動は最低限で大丈夫です。
暑さにはかなり弱く、体温調節が困難です。夏場は首の周りに保冷剤を付けるなどして体温調節してあげましょう。
運動のし過ぎや興奮状態が続くと酸欠になる事もあります。運動させる時はよく様子を見てあげて下さい。
とは言え、食欲旺盛のため、肥満になりやすい傾向もあります。ぽっちゃりとした姿も魅力がありますが足腰への負担にもなります。
食事の管理に加え、日々の運動も必須です。ワンちゃんにとってベストな運動量を探しましょう。
被毛はブラッシングなど最小限のケアで結構です。短毛ですが季節の変わり目の抜け毛は意外な量で絨毯が毛だらけに!なんてこともあるので気になる場合はこまめにブラッシングをしましょう。
また、顔のしわの間に汚れが溜まりやすいので常にきれいに拭いてあげるようにしましょう。
尻尾の根元のしわの部分も同様に拭くのを忘れずに。何らかのアレルギーにより皮膚疾患が多い犬種でもあります。清潔に保ってあげて下さい。
フレンチ・ブルドッグの注意したい病気
股関節形成不全鼻腔狹窄
口蓋裂
膝蓋骨脱臼
眼瞼内反症
角膜損傷
尾椎の皮膚炎
チェリーアイ
変形性脊椎症
わが家のフレンチ・ブルドッグ
フレンチ・ブルドッグの「むぎ」の里親に
わが家のフレンチ・ブルドッグのむぎ(女の子・8才)は保護シェルターからやって来ました。
繁殖用に飼われ、ケージの中からほとんど出た事がなく散歩もしたことがありませんでした。
皮膚疾患から被毛が抜けており汚れと臭いもひどい状態で、今とは比べ物にならない痩せ細った犬でした。
劣悪な環境からやってきた彼女は「疑心暗鬼になっていないか」、「なかなか心を開いてくれないのでは?」と心配もありましたが、わが家に来て早々リビングで息子と添い寝をするマイペースで、フレンチ・ブルドッグの穏やかでおおらかな性格に驚きました。どんな事柄でも受け入れる懐の大きさも特徴の一つです。
フレンチ・ブルドッグは子供が大好き!
子供との共同生活について心配もありましたが、フレンチ・ブルドッグの子供好きは想像以上でした。
兄弟のように戯れ合い、子供の泣き声がすれば心配そうについて回ります。母のような姉のような存在です。
子供にとって犬は特別好きな訳でもなく、もちろん苦手なわけでもなく、愛玩犬としてかわいがることもなく家族の一人として認識しているようです。
先日「むぎのことをどう思う?」と聞いたら「普通」と答えられました。「なるほど…」と普通の意味の深さを考えてしまいました。
フレンチ・ブルドッグの感情表現はほふく前進!
フレンチ・ブルドッグは尻尾が短いため、ぶんぶん機嫌良く振る様子は見られません。
嬉しさが爆発したときは、ほふく前進!
体はまったく前進しませんが、前足をパタパタ、目をキラキラさせ嬉しさを体全体で表現します。
アイコンタクトも得意です。散歩している時、隣の私をチラッチラッと確認することがあります。
快調に歩いている時に多く見られるので「一緒に歩くの楽しいね〜」と言わんばかりの顔だなぁと感じてしまいます。
フレンチ・ブルドッグは甘え上手!
フレンチ・ブルドッグはとにかく甘えん坊です。
体のどこかを人とくっつけていたい、抱っこも大好き、寒い季節は腕枕で就寝といつまでたっても赤ちゃんのようです。
ベッドやリビングに家族が集まっていると真ん中に体を捻り込む主張の強さ。自分のポジションを確立させるために一生懸命です。
そんな時フグフグ、ブヒブヒ鼻を鳴らしますが、その様子はまるで話しかけているようで上手に相づちも打ってくれます。
時折、犬の姿をした人間に思えてくるのはそのせいかもしれません。
無防備すぎる寝姿
天気の良い日、日向を求めて移動し、まるで牛のように横たわって昼寝をするその姿は見ている方も眠くなる素晴らしい寝姿。
「ぎゃー、また目を開けたまま寝ている…!」「ひー、ベロしまい忘れてカッピカピになっている…!」「イビキと鼻息の大きさが尋常じゃない!」と突っ込みどころ満載です。
こんなに無防備で動物としていいのかと疑問に思うほどのくつろぎ方をします。でも彼女の過去の環境を思えば本当に引き取って良かったと実感します。
おやつ!おやつ!おやつ!!!
フレンチ・ブルドッグは食欲旺盛。例外なくわが家のむぎも食いしん坊です。
体重が増えやすい年頃でもあるのでおやつは最低限にしたいところです。
トイレトレーニングからの名残でおしっこが成功するとご褒美におやつをあげる習慣があり、本当は出ないのに絞り出し、おやつを必死にもらおうとします。
平日は家を空けているため休日は熱心にトイレを行ったり来たり。
「出来たよ〜!!!おやつ〜!!!」と全速力で駆け寄ってくるのでムツゴロウさん張りに褒めてあげます。
おやつは極力小さめにちぎっています。人も犬も中年になれば痩せるのは大変ですからね!
他のワンちゃんとのコミュニケーションも猪突猛進!
猪突猛進な彼女は気になるとグイグイ攻めてしまうため、ビックリされてしまうことも多々ありますが威嚇して吠えることはありません。
大型犬に相手にされなくても飛び跳ねてアピール。でもまったく目線に届かず笑ってしまいます。
フレンチ・ブルドッグと暮らしで注意していること
一度、股関節が脱臼したようで脚をかばいながら歩いた時がありました。病院につく頃には自然に治っていましたが、それからは脚が滑る事のないようにさらに注意するようになりました。
興奮すると激しくジャンプをしたり、突進して来るのはなかなか止めてくれません…。
フレンチ・ブルドッグとの暮らしを振り返って
多くの方が言うようにフレンチ・ブルドッグはとても飼いやすい犬種です。
一緒に暮らして楽しい家族、相棒になることは確かです。
こうして改めて考えてみると愛おしさが増します。不満があるとテーブルの脚をガリガリ噛むのも当てつけのようにカーペットの上におしっこをしてしまうのも全て許せるような気がしてきます!これからもお互いを思いやれる関係でいれますように。
※本記事はフレンチ・ブルドッグの飼い主さまの体験談を基に当社経営企画部にて編集構成しております。