「シー・ズーは、猫のような犬!? ツンデレが魅力です」
抜け毛や体臭が少なく、無駄吠えをあまりしないシー・ズーは、理想的な室内飼育犬といわれています。ふわふわの毛に被われ、愛嬌たっぷりの表情で、お尻をフリフリ歩いてくる姿は、多くの飼い主を虜にしてやみません。
でも、性格はなかなかの曲者。気分がのらないと、呼んでも聞こえないふりで、まったく反応してくれません。急にスイッチが入ったかのように走り回ったり、すごく甘えてきたり、とにかくマイペース。散歩中のストライキは、日常茶飯事です。
そんなシー・ズーたちを27年間飼ってきて感じた、シー・ズーならではの良いところ、気を付けなければいけないことなどをご紹介します。
陽気で誇り高いシー・ズーの特徴と魅力
シー・ズーは、陽気で社交的な反面、誇り高い自尊心を持つ、チベット寺院や中国宮廷で愛玩された小型犬です。人に媚を売ることが少なく、あまりじゃれつかない、静かなワンコです。
感情表現が豊かで、喜怒哀楽がはっきりしています。すぐに怒ったり、ふてくされたり……。時としてみせる、とても悲しそうな顔も愛おしいのですが、何といっても全身で喜ぶ姿はたまりません。
シー・ズーを実際に飼うときに気を付けること
賢いシー・ズーのしつけで大切なことは一貫性をもつこと
シー・ズーは しつけ次第で、手が付けられないほどわがままいっぱいのヤンチャ犬になってしまうことがあります。愛嬌のあるしぐさに、ついつい甘やかしすぎてしまいがちですが、小さいころからしっかりとしつけてあげてください。
筆者は生後6か月くらいまでに「ダメ」「オスワリ」「マテ」「ヨシ」「コイ」のコマンドを覚えてもらうことが、しつけの基本だと思っています。
コマンドを出すときは、必ずシー・ズーの目を見て号令を出します。ダメなことは、絶対ダメと一貫性を持って教えることが重要です。根気が必要ですが、物覚えは良いほうです。
ただし、面白がって理不尽な命令を繰り返したり、プライドを傷つけられると、賢いシー・ズーはまったく言うことを聞かなくなってしまうケースもあるので、注意しましょう。
犬のしつけのコマンドについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【犬のしつけ】犬と暮らすなら必ず覚えておきたい基本の「コマンド」とは?
トイレは、室内のペットシーツで排泄できるようにしつけておくと、悪天候のとき、散歩をパスできるので助かりますよ。
比較的丈夫なシー・ズーが気を付けたい病気
シー・ズーは比較的丈夫な犬といわれていますが、かかりやすい疾患もあります。外耳炎や目の病気、アトピーやアレルギーなどの皮膚病、呼吸器や消化器の病気にもなります。膝や股関節、心臓病にも注意が必要です。
日頃から注意深く観察し、明らかにいつもと違う様子がみられたら、獣医師に相談しましょう。毎日、身体を触っての健康チェックは、早期発見にもつながりますのでおすすめです。子犬の時から、全身触れるようにしておけば嫌がりませんよ。
シー・ズーは、とにかくよく眠ります
わが家のシー・ズーは、用がなければ、ゴハンとトイレのとき以外は、ほとんど寝ています。
毎朝、わが家で暮らす親子シー・ズー(父犬10歳、娘犬9歳)を職場に連れて行くのですが、就業時間中は、ひたすら自分たちのハウスかソファーでスヤスヤ。
自宅に連れて帰れば、所かまわずゴロリ、夜はベッドの上で熟睡しています。イビキは、おじさんレベル、布団の上に乗られると、寝返りができずとても寝苦しいのですが、可愛いのでどかせません。本来は暗く静かで、落ち着ける寝床を用意したほうが良いそうです。
シニアになってから、休日は昼近くまで、トイレにもいかず寝こけていることがあり、認知症にならないかちょっと心配です。
太りやすいシー・ズーのゴハンやおやつで気をつけたいこと
シー・ズーはおねだり上手です。ウルウルの大きな瞳で見上げられると、つい多めにあげてしまいがちですね。
でも、そこはグッと堪えてください。シー・ズーは太りやすいんです。おやつも控えめにしましょう。
わが家では、食いしん坊の娘犬が、ついに父犬の体重を超えてしまいました。飼い主の責任ですね……反省。
また、とても食が細く偏食の子もいます。うちのお父さんシー・ズーが若いころは、何を与えても興味を示さず、2日くらい食べないこともありました。獣医さん曰く、健康に問題がなければ、心配はいらないそうでした。偏食の子には根気良くつきあってあげましょう。
食べないからと、フードの銘柄をころころ変えたり、おやつを安易に与えるのは、おすすめできません。
「食べなければ、別の美味しいゴハンが出てくる」と、ワンコが学習してしまい、きりがないからです。
一定の時間でお皿をさげることもお忘れなく。「今、食べないと、ゴハンが無くなる」と教えるためです。
本当にお腹がすけば、必ず食べてくれます。
鼻が短いシー・ズーには、深いボウルで水を飲むのが苦手な子もいます。お皿の形状には注意してあげてください。わが家のシー・ズー達は給水器がお気に入りのようです。
クーラー必須! シー・ズーの暮らす環境とお手入れ
シー・ズーは、高温多湿にとても弱い犬種です。夏はクーラーが欠かせません。自動車内の気温にも注意してください。
暑さが苦手なのに冬は寒がりで、ストーブの前から動こうとしません。わが家ではシニアのシー・ズーに暖かい服を着せてあげています。
毛がもつれやすいので、毎日ブラッシングするようにしましょう。ピンブラシのあと、コーム(くし)をかけると、毛艶が良くなり、汚れも落ちます。
シー・ズーは、毛が抜けないかわりにどんどん伸びるので、1~3か月に1度、全身カット・トリミングが必要です。特に鼻の上の毛は、目に入りやすいので、うちのワンコ達は、顔だけカットを時々お願いしています。
垂れ耳なので、耳の中が蒸れやすく、臭いもでます。外耳炎になりやすい犬種なので、頭を強く振ったり、耳から黒いカスが出てきたら、獣医師に診てもらいましょう。
わが家のシー・ズーは車や自転車で移動が大得意
わが家のシー・ズーは車に乗ると、外の景色を見るのが楽しいのか、窓から顔を出したがりますが、車外に投げ出される危険があり非常に危険ですので注意しましょう。
小さいころから車に乗っているからか、長時間ドライブもへっちゃらで、グーグー寝ていることもあります。
穏やかさと頑固さをあわせ持つシー・ズーは、きちんとしつければ、きっと飼い主さんのそばに寄り添ってくれる、静かでおっとりとした愛犬に育ってくれるでしょう。
シー・ズーは、小さいお子さんからご高齢者まで、無理なく飼えるおすすめの犬種です。
顔を見ているだけで、人の心を和ませてくれるシー・ズーが、きっとあなたの生活を明るく豊かなものにしてくれますよ。
※本記事はシー・ズーの飼い主さまの体験談を基に当社経営企画部にて編集構成しております。