【獣医師監修】死亡率50%!ペットの熱中症について〜愛犬・愛猫の命を守るために〜

2022.6.30

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【獣医師監修】死亡率50%!ペットの熱中症について〜愛犬・愛猫の命を守るために〜

今年もまた暑い夏がやってきました。
夏は人と同様に犬や猫も熱中症になりやすい季節です。
今回のコラムでは、犬と猫の熱中症の「怖さ」についてご紹介します。

犬と猫の熱中症の対策方法や、おうちでできる応急処置方法、見分け方については昨年のコラムで詳しくご紹介しています。
こちらも本コラムとあわせてご覧ください。

熱中症はこんな病気 ~原因と症状~

熱中症とは、高温多湿な環境が原因で体温が上がったことにより生じる全身性の疾患です。
気温や湿度の高い場所での過度な運動は、熱中症の原因になります。

熱中症の初期には、口を開いて呼吸する(パンティング)、よだれをたらす(流涎)、ぐったりするなど元気がない様子(元気喪失)がみられます。

熱中症の症状が悪化すると、嘔吐、下痢や血便、虚脱(力が抜けている様子)、発作、意識混濁(呼びかけても反応しなかったり目を覚まさない様子)など、全身の各臓器に障害を引き起こします。

さらに、体温が高い状態が続くと、生きるために欠かすことのできない複数の重要な臓器に障害を引き起こし、脳障害を含む多臓器不全に陥ります。

熱中症の死亡率は50% ~治療方法と致死率~

熱中症になった場合、できるだけ迅速に上がった体温を下げることが重要です。
シャワーなどで常温の水をかけ全身をぬらし、体温を下げましょう。

動物病院では、犬や猫の状態をみながら輸液療法や酸素吸入、各臓器障害に対する治療も行います。
犬や猫の熱中症は、動物病院に運ばれてくる段階ですでに病態が進行していることが多く、手遅れになることも。
動物病院での熱中症の死亡率は約50%にのぼります。死亡例の多くは動物病院を受診してから24時間以内に亡くなっています。

熱中症の死亡率は50% ~治療方法と致死率~

熱中症は完治まで1週間以上かかる ~治療と経過~

熱中症は、重篤な症状があった場合、1度の通院では完治せず入院や複数回の通院が必要になります。
動物病院での治療により急激な症状が緩和された後も、最低でも数日間は入院し経過観察し、症状や臓器の状態に合わせて治療を継続する必要があります。
退院できるようになるまで平均5~7日程度かかり、いずれも完治ではなく、その後の通院が必要です。

熱中症は治療費用に15万円かかることも ~実際のケース~

入院や通院が長引くと治療費用も高額になります。
当社の熱中症請求事例では治療費合計額が15万円を超えることもありました。

熱中症罹患時の平均治療費

熱中症罹患時の平均治療費

実際の請求事例

ペット品種
MIX(小型犬)
事故年齢
7歳3か月
加入プラン
グリーンプラン
治療費合計
153,538円
保険金支払額
118,940円
自己負担額
34,598円
給付率
77.5%
自己負担率
22.5%

(単位:円)

保険金種類 治療費用 保険金支払額 自己負担 自己負担の内容
入院1日目 11,880 11,880 0
入院2日目 3,300 3,300 0
入院3日目 3,300 3,300 0
入院4日目 16,500 12,000 4,500 保障限度額超過
入院5日目 39,028 12,000 27,028 保障限度額超過
入院6日目 10,450 10,450 0
入院7日目 10,450 10,450 0
入院8日目 10,450 10,450 0
入院9日目 15,070 12,000 3,070
入院10日目 10,450 10,450 0
入院11日目 2,750 2,750 0
入院12日目 2,750 2,750 0
入院13日目 2,750 2,750 0
入院14日目 2,750 2,750 0
入院15日目 2,750 2,750 0
入院16日目 8,910 8,910 0
合計 153,538 118,940 34,598

こちらのケースでは、7歳の小型犬が熱中症になり、16日間入院し、治療費用の合計は約15万円でした。
当社のペット保険「プリズムコールⓇグリーンプラン」に加入していたため、自己負担額は約3.5万円でした。

請求事例は熱中症に関する調査記事でもご紹介しています。

熱中症は夏以外で発症することも ~秋冬の熱中症の原因~

夏になると発症が多くなる熱中症ですが、トリミング時のドライヤーなども熱中症の原因となることがあるため、夏だけでなく秋冬にも注意が必要です。
また、短頭種、大型犬、肥満、長毛種、呼吸器疾患、心疾患などは熱中症の要因としてあげられます。

当社犬猫熱中症請求データ

熱中症は夏以外で発症することも ~秋冬の熱中症の原因~

※2021年4月1日~2022年3月31日の間に当社請求データより診断名に「熱中症」を含む保険金請求をもとに算出。

熱中症対策 ~おすすめグッズ~

熱中症対策として、クールマットやクールウェアなどの商品が市販されています。
冷やしたタオルを首に巻くことも熱中症の対策に有効です。

グッズをうまく活用し今年の夏を乗り切りましょう。

■関連リンク

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【獣医師監修】ペットが熱中症になったら?正しい応急処置と対策4選

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記事監督 獣医師 藤沼淳也

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