鳴き声の種類と意味
猫と長く付き合っていると、鳴き声やジェスチャーによって何を求めているかがわかるようになります。コミュニケーションが取れるようになると、猫との暮らしは楽しさ倍増!今回は猫の鳴き声の種類とその対処法をお教えします。
ご飯が欲しいとき
猫を飼っているときに最も多く聞くのがこの鳴き声でしょう。「ニャッ」と短く高い声で鳴いたり、「ニャ〜」と少し長めに鳴いたりします。我が家では7時、18時、22時の3回に分けてご飯をあげるのですが、夕方17時を過ぎたあたりからソワソワしだします。そして、飼い主の周りをウロウロ。「ニャ」と鳴いてアピールしてきます。18時を過ぎると「ニャ〜ッ」と長めに鳴き、まるで「まだか〜!?」と言っているよう。
そして「『ゴハン』食べる?」と聞くと元気良く「ニャ!」と答えてくれます。
人間の言葉を覚えていることにも感心しますが、猫と意思疎通ができたと思うと感動です。
相手を威嚇するとき
耳をペタンと下げて「シャーッ!」とか「ヴ〜ッ!」と鳴くときは相手を威嚇する、あるいは見知らぬ物体に不安を覚えているときなどに聞かれる鳴き声です。我が家ではマンチカン(オス2歳)とスコティッシュフォールド(メス1歳)を多頭飼いしていますが、スコティッシュフォールドがしばしばマンチカンにちょっかいをだします。するとマンチカンは「シャーッ!!」と低い唸り声をあげて相手を威嚇しそのままプロレスごっこに突入します。
満足しているとき、安心しているとき
ご飯を食べて満腹、気持ちいい気分のときなどには「ゴロゴロ、グルグル」と喉を鳴らします。アゴをさすって気持ちいいときや、毛布など柔らかいものでフミフミしながら悦に浸っているときなどにもみられます。このときは思い切り可愛がってあげましょう。
痛みを感じたとき、苦痛を感じたとき
ケージを閉めたとき、尻尾を挟んでしまったり、足を踏んでしまったりしたときは「ギャー!」と叫んで知らせます。万が一、猫を踏んづけてしまったときはそのあとの猫の様子を注視しましょう。足を引きずるなど普段と違う動作をしている、あるいは触ろうとすると「シャー!!」と威嚇してくるようであれば骨折の危険があります。
病院に連れて行ってあげましょう。
かまってほしいとき
飼い主に遊んでほしいときやかまってほしいときなどには「ニャ〜」とか「ニャァオゥ」と少し長めに鳴いてアピールしてきます。我が家のスコティッシュフォールドは名前を呼んで撫でてあげると「ニャオ」と鳴いてコロンと裏返り、お腹を見せて遊んでアピールしてきます。
発情期
「アオーン」と遠くの誰かを呼ぶような鳴き声を発するときは発情しているときや、飼い主を呼ぶとき、求愛しているときです。メスは生後半年、オスは生後1年以内に発情期になるといわれています。発情期を迎える前に去勢手術や避妊手術をすると、鳴くことはほぼありません。 我が家ではケージ内に猫を長時間入れていると、「アオーン(出たーい)!」と飼い主にアピールしてきます。
鳴き声がうるさいときの対策
マンションやアパート暮らしだと、鳴き声が近所の迷惑になってしまうこともあります。猫は発情期などを除いて、猫同士のコミュニケーションで鳴くことはあまりないと言われているため、猫が鳴くのは人間に対するアピールがほとんどです。鳴き声がうるさいなと感じたら猫の気持ちになって猫の欲求を満たしてあげましょう。
ご飯を欲していたらご飯をあげれば鳴き止みます。
かまって欲しそうであれば思い切り遊んであげましょう。
一点、注意したいのが病気のときです。
普段の生活の中で聞いたことのない鳴き声をあげたり、元気がなかったりした際は病院に連れて行きましょう。
また、発情期の対処に困った際も病院に行くのがオススメです。
繁殖を考えていないのであればきちんと去勢手術や避妊手術をしてあげましょう。
記事監督 獣医師 藤沼淳也